脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など脳卒中の後遺症に対するサイトカインカクテル療法は、歯髄の幹細胞から抽出したサイトカインを使用した治療法で、脳梗塞や脳出血など、脳卒中の後遺症の軽減やリハビリ効果が高まることが報告されています。
名古屋大学からは、
①歯髄の幹細胞から放出されるサイトカインは脳神経細胞にも効果が認められ、脳梗塞の後遺症の運動マヒが軽快した
②歯髄の幹細胞から放出されたサイトカインを投与することで、幹細胞移植治療※1と同等の効果を得られる
などが報告されています。
※現在のところ残念ながら脳梗塞の脳機能障害については完全な効果を示す報告はまだなされておらず、運動麻痺(運動障害)に関してのみ報告がなされている状況です。
サイトカインとは、細胞間に指令や情報を伝えるタンパク質※2です。私たちのケガが自然に治るのも、実は、このサイトカインが細胞にけがを治すように働きかけているからです。
サイトカインカクテル療法は、この変性(腫瘍化、がん化)のないタンパク質(物質)を使用した治療法です。※細胞(生物)を使用した治療ではありません。
※1幹細胞移植治療とは、手術によって体外に取り出した「幹細胞」を培養し、体内に移植する治療法です。成人の幹細胞は数が少ないため、ある程度の効果を上げるには、培養により数を増やす必要があります。脊髄損傷に対する骨髄幹細胞移植治療は札幌医科大学が行っています。
※2「タンパク質」とは、三大栄養素のひとつで、食物中に含まれる身体に必須の成分です。タンパク質は人間の臓器や筋肉、ホルモンの材料となったり、エネルギー源にもなる必要な栄養素です。
【治療方法】
投与方法は最も脳への薬物移行が早いと言われている痛みを伴わない点鼻でおこないます。
症状の程度に合わせて、1~2週間おきに点鼻をおこないます。
通院される場合、通院回数や期間については医師にご相談ください。
【特徴】
・発症後の年数に関わらず治療が可能。(慢性期にも対応)
・治療に手術を伴わないため、対象年齢に制限がない。
・性質上変性(腫瘍化、がん化)のないタンパク質(サイトカイン)を使用した治療法である。
【注意事項】
・新しい治療法のため、長期での体への影響が確認されていない。
・自己の再生力を利用した治療法のため、効果や効果が現れるまでの期間に個人差がある。
【副作用】
・ごく稀に、発疹(アレルギー反応)がみられることがあります。
【その他の症状】
・稀に、身体が温かくなったと感じることがあります。
・ごく稀に、身体がふわふわすると感じることがあります。
・ごく稀に、ふらつきを感じることがあります。
※すべての症状は2~3日で治まります。
コメント